看護スタッフによる「看護だより」

第10回のテーマ「『骨粗鬆症と検査法について』」

こんにちは。
いつも【看護便り】を読んでくださってありがとうございます。
2014年からスタートした【看護便り】も10回を迎えることが出来ました。
スタッフ一同、今後もクリニックにいらっしゃる患者さんに向けて必要な情報を発信し続けていきたいと思っております。


第10回のテーマは骨粗鬆症(骨密度低下)とその予防のための日常生活のポイントについてです。
日常生活のあらゆる場面での工夫が骨粗鬆症予防につながっていきます。
今回は3回に渡り『骨粗鬆症予防』についてスポットを当てていきたいと思っております。
1回目は骨粗鬆症についてです。 

あなたは、次の項目にどのくらい当てはまりますか?

骨粗鬆症発症のリスクが高くなる要素

  • 高齢
  • 閉経前後の女性
  • 重度の月経不順、無月経
  • 過去の骨折の経験がある
  • 喫煙をしている
  • 過度のアルコール摂取(1日2合以上)
  • コーヒーをよく飲む
  • 塩分を過剰摂取している
  • カルシウム摂取不足
  • ご家族に足の太ももの付け根の骨(大腿骨)を骨折された方がいる
  • 副甲状腺機能亢進症または、甲状腺機能亢進症と診断されたことがある
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • ステロイド剤を1日5mg以上内服している
  • 身長が3cm以上縮んだ
  • 屋外で日中過ごす時間が1日10分未満

当てはまる項目が多い場合は、骨密度検査をお勧めします。

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは?

骨粗鬆症とは骨の強度(骨密度)が低下し、骨折のリスクが高くなっている状態のことです。(骨折は骨密度が低いことが原因の70%を占めます。)

女性に骨粗鬆症の方が多い

骨密度は女性ホルモンに影響を受けます(女性ホルモンが、骨を作る働きを助けるために重要な役割を果たしている)。そのため男性の3倍、女性の骨粗鬆症の方が多いです。また、女性の骨粗鬆症は、60歳は30%、70歳は40%、80歳は55%と閉経から時間が経つにつれて発症する方が増える傾向にあります。

当クリニックは、骨密度検査を行っています。

当クリニックは、副甲状腺の病気や甲状腺・乳がんの手術後にホルモン療法を行っています。それが骨密度に影響を及ぼす可能性があるため、治療の経過上で骨密度のチェックも重要としています。

ご自身で来院される患者さんもいます。閉経後の方や、女性ホルモン剤を使用前後で「骨密度検査」を希望される方です。また、婦人科クリニックなどからの紹介でいらっしゃる患者さんもおります。

骨密度の検査の種類

  • X線を用いる骨密度検査(DXA法など)
  • 超音波を用いる骨密度検査
  • CT検査
  • 骨代謝マーカーの検査

当クリニックで行っている骨密度の検査は

DXA法検査 所要時間:5~10分×2か所

微量のX線を骨にあてて骨の量を測定する検査です。 この検査が、現在最も正確に骨密度を知ることが出来る検査です。

腰の骨(腰椎)と左右どちらかの足の太ももの付け根の骨(大腿骨)の2か所で測定します。骨折歴などの理由で測定できない箇所がある場合は左右どちらかの前腕で測定する場合もあります。患者さんはベッドに仰向けの状態で検査します。痛みなどありませんので楽に検査が受けられます。通常のX線検査よりも放射線量はかなり少ないため安心して受けられます。

骨粗鬆症の治療について

「食事療法」「運動療法」「薬物療法」があります。日常生活の工夫で骨粗鬆症予防や、骨粗鬆症の悪化を防ぐことができます。次回の【看護だより】ではまず、骨粗鬆症予防の食事のポイントを書かせて頂く予定です。